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記事・論文

第11回/グリーン化に向けて残された課題(最終回)

 

 サンフランシスコほどではないが、東京の渋谷には、グリーンな風景が広がり始めている。

 表参道近辺で「グリーンバード」が朝掃除を行う姿に遭遇することも珍しくなくなってきたし、モヤイ像の前や宮下公園では「シブハナ」が花壇の手入れをしている。街のカフェでは、不要になったビニール傘を再利用して貸し出す「シブカサ」が見られ、一部の飲食店では近郊の無農薬野菜を食材に取り入れる「シブヤサイ」があり、「アースデイマネー」の参加店も着実に広がりを見せている。街頭にはホームレスが雑誌を売る「ビッグイシュー」も随所に見かけるし、毎月一回、代々木公園では農家朝市「アースデイマーケット」が開催され多くの人で賑わう。ギャル社長として知られる藤田志保氏も農業をはじめ、武田鉄矢氏が公園通りに田植えをしたというニュースもあった。

 それでもなお、日本が「グリーン」になるために、まだまだ成長の余地が残された分野がある。一つはボランティア参加率。各種統計調査では、日本人のボランティア参加率はおおむね2~3割にとどまり「興味はあるけど行動したことがない」人が多数を占める。もう一つ、日本人の寄付行動についても同様のことが言える。米国では1世帯平均の寄付額は年間で10万円以上、一説には15万円以上とも言われる。これに対して、日本の平均は3,000円台。そこには大きな開きがある。

 グリーンな社会には市民の参加は不可欠だ。そのためには、市民が、行動で、お金で、環境や社会貢献活動にコミットしていくことも重要な要素である。

 連載の当初でも述べたが、グリーンは、環境分野に限定する「エコ」や特殊な消費志向をもつセグメント「ロハス」よりも間口の広い考え方だ。

 だからこそ、読者諸氏には、ご自身のこと、身の回りの同僚のこと、さらに、事業や顧客のことなどを思い浮かべつつ、それらをいかに「グリーン化」していけるか、たくみに想像力を巡らせていただくことをお願いして、11回にわたった連載を閉じることとしたい。