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記事・論文

第9回/サービスグラントの波及効果

 

 前回は仕事の知識や専門スキルを生かした社会貢献のスタイルである「プロボノ」について紹介した。プロボノは、ホワイトカラーが社会貢献する切り口として有望であり、しかもNPOにとっても、彼らの活動を飛躍的に向上させる可能性を秘めている点で魅力的なものだ。

 プロボノを実践する具体的な手法として、筆者が2005年から取り組んでいるのが「サービスグラント」というプログラムだ。これは、NPOのホームページやパンフレットをはじめ、ロゴ・ブランディング、セールスシートなど、NPOが必要としながら、デザインやコミュニケーションのスキル不足ゆえに十分に対応できていない部分をサポートする活動だ。

 ここには、広告会社やデザイン会社、新聞・雑誌の記者や編集者などをはじめ、商社マンやコンサルタント、百貨店の企画担当者やアパレルの広報担当者、フリーランスのデザイナーに至るまで幅広い業種・業界の人がボランティアとして登録している。現在、登録者は約200人を数え、その中から5~6人が集まってチームを結成し、NPOのニーズに応えていく。週五時間程度、仕事の合間の時間を縫って無理なく参加できるよう、全体のスケジュールはゆるめに設定してあり、約六ヵ月間かけて成果物をつくりあげていく。

 しかし、出来上がるホームページやパンフレットの効果は絶大だ。提供した成果物によって、新しいボランティアをひきつけたり、視察や問い合わせが急増したり、さらには、会員や寄付の申し出を受けることになった団体もある。

 サービスグラントの「グラント」とは、助成金という意味だ。サービスグラントは、現金をNPOに提供するものではないが、提供した成果物が新しい支援者や寄付の拡大につながるとしたら、お金を提供するのと同等あるいはそれ以上の価値があるといえるかもしれない。

 このように、社会貢献にも費用対効果や付加価値を創出するといった発想は今後ますます重要になるだろう。