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記事・論文

第5回/食材をグリーンにする-シブヤサイ

 

 農産物にも環境配慮という意味で「グリーン」と言えるかどうかを見極めるポイントがいくつかある。農薬や化学肥料の使用を控えることをはじめ、輸送距離も重要な観点だ。

 「地産池消」という言葉が普及しつつあるが、産地から消費地までの距離が短いほうが輸送にかかるエネルギーが少ないためよりグリーンといえる。もう一つは旬ということ。旬は農産物が自然なプロセスで育つ時期であり、露地で栽培できる。これに対して、例えば冬場のトマトやピーマンなどはハウス栽培だが、そこにはビニールなどの資材や暖房のための燃料などを必要とし、露地栽培の十倍近いエネルギーをつかうと言われ環境負荷が高い。旬の無農薬野菜を地産池消すること。これがグリーンな農産物選びのポイントだ。

 前回の連載で紹介した渋谷の「アースデイマネー」の参加店の一部では、こうしたグリーンな農産物の活用を進める「シブヤサイ」という取り組みを始めている。

 仕組みは非常に簡単で、店で利用する野菜のうち一部を「シブヤサイ」にするだけでよい。その一部とは、季節によって変化する。シブヤサイでは、あくまで旬の無農薬野菜で、かつ千葉・埼玉など東京近郊の農家さんが作ったものだけを取り入れている。おのずと野菜のラインナップには制約が出てくる。それでも、シブヤサイで扱う野菜は、農家さんから直接届くため新鮮であり、無農薬・有機栽培で味もしっかりしているうえ、複数の飲食店が共同で購入するため送料や仕入れの単価を抑えることができるメリットもある。

 シブヤサイは、飲食店の野菜を全部オーガニックに切り替えるべし、というような完璧主義は唱えない。(むしろ、完璧主義が、さまざまな環境破壊をもたらしているのかもしれない。)そうではなく、グリーン化が可能な部分を探し出し、部分的にでも無理のない形で取り組みを始めてみようと提案している。それでも、何もしないよりははるかにリスペクトされるべきことなのだ。