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記事・論文

リントン×嵯峨対談

 

● シブヤプロジェクト・リントン評

I:昨年12月に来日されたときに、アースデイマネー<シブヤプロジェクト>のようすもご覧いただきましたが、そのときのリントンさんの持たれた印象について、自分はこう理解しています。シブヤプロジェクトは、滑り出しとしては上々だけれども、解決しなければならない問題点も多々ある、というようなことでしたよね。

M:そう、アースデイマネー<シブヤプロジェクト>は、なかなかいいスタートを切ったと思うし、日本社会という文脈のなかで地域通貨の可能性を探る、画期的な試みになっているとは思う。その点は素直に評価できると思うさ。でも、本当の意味でアースデイマネーが飛躍を遂げるためには、いくつかの重要な点で修正が必要なのも事実だ。
問題の中には、例えば、参加店において商品の価格に占める地域通貨の受け取り比率が低いということや、地域通貨によって購入できる商品・サービスの種類が限られている、といったことが挙げられる。でも、こういった問題は、人々が地域通貨に対する理解を深めるにつれて、早晩解決していくだろうと思う。一方で、運用面における非常に基本的な部分で、いまのうちに修正をしておかないと今後立ち行かなくなるような根本的な問題もあるようだね。

I:気になりますね。その根本的な問題というのは・・・?
できれば、アースデイマネーを続けていく上で、ここは絶対に修正しておかなければいけないという点を、列挙してくれるとありがたいのですが。というのも、もし他の地域の人がアースデイマネーを参考にして地域通貨を立ち上げたいと思ったときに、その人はアースデイマネーのどこを参考にしたらよくて、どこを真似してはいけないのかを、今のうちにはっきりさせておいたほうがよいと思うんです。

M:いいとも。アースデイマネーに対して自分が感じたことは次の通りさ。
第一にB2B(企業間)取引の充実を図ること。例えば、カフェなどの参加店の調達先になるような、食材等の供給業者に参加してもらうとよい。これによって、参加店がアースデイマネーに参加するメリットを高め、価格に占めるアースデイマネーの受取比率を高めることができる。カフェやレストランであれば、受取比率50%程度は決して不可能な数字ではないと思う。

I:自分もその問題は認識していて、アースデイマネーは、使いきろうとすると現金もたくさん出ていく、といった参加者の方のコメントをいただいています。企業間取引にはお店の理解も重要で、アースデイマネーを本当にお金だと思ってくれるお店が出てくれることが第一だと思うんです。そういう中で、参加してくれているお店の中には「この地域通貨、うちも店として使えるんですよね?」と言ってくれるような勘のいいお店が出てきたりもして、そういう人たちの要望には応えていきたいなあ、と思うんですよね。

M:お店の理解が深まってくれば、B2Bは着実に形成されてくるだろうと思うよ。



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