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第3回 タップルートファウンデーションに見る「NPOにスポンサーする理由」

 

前回のこのコーナーでは、ビジネススキルを持つボランティアと、そうしたスキルを必要とするNPOとをマッチングすることで、NPOのホームページやパンフレットを制作したり、NPOの業務改善をサポートする「サービスグラント」というしくみを取り上げた。

その中で、サービスグラントは、そこに参加するボランティアにとって、日ごろのビジネススキルをそのまま発揮できるユニークなボランティア参加の手法であり、一方、サービスグラントを受ける側のNPOにとっては、人材や資源などのさまざまな制約の中で日ごろ手が行き届かないような情報発信やマーケティング、生産性向上などに効果を発揮するものであるなど、ボランティア、NPOそれぞれのニーズに応えながら、成果を生み出していくすぐれた仕掛けであることを紹介した。

 ところで、このサービスグラントは、「グラント(助成)」というタイトルが示すとおり、NPOに対しては無償で提供しているものである。ボランティアも当然無償で成り立っている。しかしそれでは、いったいその運営はどのようにして成立するのか、という疑問が出てくるところだが、そこに企業との協働がある。そこで今回は、サービスグラントと企業とがどのように連携しているか、なぜ企業はサービスグラントと連携するのかに焦点を当ててみよう。

企業が認める成果と実力
 サンフランシスコに本拠地を置くサービスグラントの運営団体「タップルートファウンデーション」では、約40社の企業からスポンサー契約を獲得している。1年間に100件以上ものサービスグラントを提供し、サンフランシスコだけでなく今やニューヨーク、シカゴ、ボストン、シアトルなど全米各地に支部を創設して急速な展開を見せるタップルートには、企業での職務経験豊富なスタッフが集まり、彼らの仕事場はアグレッシブな活気に満ちている。スタッフの数はサンフランシスコの事務所に10人弱、ニューヨークにも5人前後など、各地に専従スタッフがいる。こうした事務所経費やスタッフの人件費は相当の規模に上るが、これら経費から算出したサービスグラント1件あたりの費用は5,000ドル。これを企業や財団等のスポンサーによりまかなっているのである。

 タップルートのスポンサーには慈善財団等も含まれるが、中には、チャールズシュワブやウェルズファーゴ、アメリカンエキスプレス、タイムワーナー、セイフウェイなどの全米に展開する大手企業の顔ぶれも見える。
 



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