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「サービスグラント」がすごいらしい

 

 「グラント(grant)」とは、英語で助成金のことをさしますが、「サービスグラント」とは、文字通り「サービスの助成」つまり、お金ではなく労働力やスキルを助成するというものです。

 スタッフが少なく組織としての体力の小さいNPOの場合、例えば、情報発信一つとってもなかなか十分な労力を割くことができません。活動内容はすばらしいけれども、ホームページやパンフレットはあまりカッコよくない、なんていうNPOもありますよね。それは無理もないこと、かもしれませんが、それがNPOのイメージを決めてしまっていることも事実です。

 ホームページやカタログは、助成金でお金をもらえばできる、と思われるかもしれません。しかし、実際にやってみるとよく分かりますが、使い勝手とデザイン性を両立したホームページや、きちんと情報が整理されたカタログをつくるためには、作業を発注する側にも相当のノウハウや力量、そして、時間が求められます。

 そこで、サービスグラントの出番です。サービスグラントでは、デザイナーやプログラマー、ライター、そしてプロジェクト全体のマネジャーなどが数人で1チームを組んでNPOを訪れ、活動内容や組織のニーズをよく理解した上で、ホームページやカタログなど制作して提供するのです。NPOに対する理解や共感があって、しかもプロフェッショナルなスキルを持つメンバーが集まれば、まさに鬼に金棒。立派な成果物が納品されます。

 サンフランシスコにあるタップルート財団(Taproot Foundation)は、質の高いサービスグラントを提供する中間支援型NPOです。タップルート財団では、NPOのホームページ、カタログ制作をはじめ、ロゴの制作、ネーミングの企画、寄付者のデータベース管理の導入など、NPOの情報発信や集金力、運営能力を高めるためのサービスグラントを提供しています。

 2001年から活動を開始したタップルートファウンデーションですが、既に100近いNPOにサービスグラントの提供実績があります。しかも、出来上がったカタログで資金集めのキャンペーンをしたら従来の1.5倍も寄付が集まった!というような成果が表れている例もあるといいます。

そこで、さっそく私はタップルートファウンデーションの実態を把握すべく、サンフランシスコに飛ぶことにしました。


(初出:「ソトコト」/スローマーケティング講座は「ソトコト」の連載企画として掲載されたものです)